はたじょ座談会とアンケート『おとなの食育』

大人の食育

健康や美肌のためにも気を付けたい食習慣。とはいえ仕事で忙しく、食生活が乱れがちな人も少なくないはず。働いている女性がどのように食事の準備をし、何を意識して食事をしているのか、みんなの意見をまとめました。また、はたじょメンバー3人と食育指導士・瀬川さんとの座談会では働く女子にありがちな“食事あるある”トークも。健康や美容、時短など、料理や食事の知恵が満載です。




食育座談会
食育座談会_メンバー



普段の食事の悩みや工夫点について

山口(以下山):普段の食事の悩みで言うと、私は安心・安全な食材に興味はあっても料理技術が追いついてなくて…、仕事が遅くなるとついついスーパーで惣菜を買って帰りがちですね。
瀬川(以下瀬):技術が高ければ全て良し、というわけでもないですよ。シンプルに食材の味がわかるのが何よりのご馳走です。料理は「生」「煮る」「焼く」「揚げる」「蒸す」という5つの技法で成り立っています。この技法を変えることで食感も変わってくるし、レパートリーも増やせるんじゃないかと思いますよ。
櫻井(以下櫻):我が家はみんな好き嫌いこそないんですが、年齢がバラバラなので小さい子供、大きい子供、そして大人のバランスが難しいですね。カロリーは抑えたいし、大人用・子供用2種類の料理は作りたくないし…。サラダならドレッシングかマヨネーズか、肉なら赤身か脂身かなどを使い分けてはいます。
:成長期の子供は肉などの動物性たんぱく質が必要ですが、40代くらいになるとコレステロールの問題も出てくるので、同じたんぱく質でも豆などに変えていくことが大事です。それから、10歳のお子さんは大人と同じ濃い味に慣れない方がいいですね。あと、油の種類や量にも注意が必要で、意識して青魚などのオメガ3系の油は積極的に摂ることによって、脳の働きをスムーズにし、体内で良い働きをしてくれます。櫻井さんは本当にすごく気をつけていらっしゃると思いますよ。そしてお母さんがそれだけ工夫しているだけで、お子さんには十分な愛情が伝わっていると思います。
高田(以下高):私は曜日ごとにメニューを決めてそれを1ヶ月繰り返す「サイクル献立」を3ヶ月前くらいから始めました。家と職場が離れていて帰宅後にじっくり料理する時間がないので、アプリを使って献立を管理。「献立は何にしよう?」と悩むことがなくなり、その点ではとても楽になりましたね。野菜は使い切ったり、肉は小分けで冷凍したりしています。
:計画を立てると結果的に食材が余ってしまう悩みを聞くことは多いですが、お子さんも小さい中でこれだけ計画性があるのはすごいですね。栄養面では三大栄養素や食物繊維をしっかり摂ってらっしゃるようなので、お通じも良いのではないかと思います。成長期ならカルシウムも大事ですから、例えば広島なら小鰯が美味しいのでフードプロセッサーでミンチにすると鍋やスープに使い勝手がいいですね。
:私はキノコ類が大好きなので毎食何かにキノコを使っています。それから冷奴なども醤油をかけずにそのまま豆腐の味を楽しんでますね。
:私もシイタケを小さくして色んな料理に混ぜていますね。ずぼらなので休日にスープを作って、その中に色んなキノコをどっさり入れてごった煮(笑)。
:キノコ類は免疫を上げてくれるのでたくさん食べましょう。でも、そうやって1つの食材の良さを高めていくと楽しいですよね。いま、「一汁一菜」と言われ、1つのスープに五大栄養素全てを入れ、忙しい現代人や高齢の方、それからドロドロにして離乳食に、という食べ方も推奨されたりしています。


食育座談会_img01



美容と健康の為に気をつけたいこと

:糖質制限ダイエットってありますが、やり始めると止めどきがわからないみたいですね。
:私も難しいと聞いたことがあります。体調を崩したり、体重は減っても肌が荒れてしまったり…。
:あまり糖質を気にされると、例えば外食先など一緒にいる人は気を遣うかもしれませんね。
:人間のエネルギーは糖質です。それが足りなくなるとたんぱく質を分解し始め、細胞の質が悪くなっていきます。すると免疫力が低下し、病気になる可能性も出てきます。食べる順番を野菜→肉→ご飯にしたり、お米に食物繊維豊富な玄米やもち麦を混ぜて炊いたりなどの工夫をした方が健康的ですね。だから糖質制限ダイエットには賛成しかねますが、意外と砂糖って色んなものに使われているので、どうしても気になる方は砂糖の量自体を調整してみてはどうでしょう。寝ている間も脳は動いていて、脳に栄養を届けるのは糖質だけなので、それを抜いちゃうと次の日のお昼までもたないですよね。
:みなさんは朝食はちゃんと食べてます?
:うちはしっかり食べてます。
:私もおにぎりだけですが食べてますよ。
:よく言われていることですが朝ごはんは絶対に食べるようにしましょう。脳を動かす以外にも、朝ごはんには体温を上げる目的もあるので、何かしら食べた方が能率が良くなりますよね。食べにくい人はスープとか、高田さんみたいにおにぎりだけでもいいと思うので。
:例えば前日が鍋なら翌朝は簡単に雑炊を作れるようにしたり、スープならパスタやマカロニを入れるだけにしたり、前の日のうちに翌朝が楽になるやり方をやっていますね。朝の時間って貴重ですから。
:そうですよね。だからうちはあえて翌朝用に余らせる量を作ったりもしますね。
:昆布やいりこを水に入れてそのまま冷蔵庫に入れておけば、翌朝は時間が短縮できますし、立派な朝食をイメージしなくてもいいと思うので、まずはお腹のリズムを一定にしていくことが大事ですよね。
:でも家族がいるから作っているというのは大きいかな。一人だとできてないかも。
:一人だとお腹が太ればいいやってなりますよね。
家族や愛情って食事とすごく密接で、例えば食卓でも温かい言葉を交わす方が元気になりますし、お子さんであれば自分で愛情を注いで育てた野菜などを食べると体が温まり血流も良くなるんですよ。独身の方であれば、まず自分が元気になれる料理や食べ方を色々と経験し、試して学べるのも独身時代だからこそ。その経験がその後の家族の健康管理にとても役立ちます。
:うちは基本食べきりで、カレーやおでんも次の日に残らないことが多いのですが、瀬川先生は常備菜って作られているんですか?
常備はしない方ですね。時間が経って酸化したものばかりをたくさん食べると、体の中に活性酸素が蓄積され、シミ・シワや老化原因の1つになってしまいます。野菜も長く置いておくとだんだん酵素がなくなっていくので、基本的には旬のものをその日に食べています。ただ、忙しかったりエンゲル係数が気になりそれが難しい場合もあると思います。そんな時は保存に向いているものと向いていない食材を分けて考えるようにするといいですね。例えば根野菜に関しては、陰性と陽性の食材を順番に重ねて大きな鍋で柔らかくしていく「重ね煮」をオススメします。それをひとまず作って小分けて冷凍しておくと、味噌汁にも使えますし、葉野菜のサラダに根野菜も入れてあげることで陰陽のバランスも良くなりますよね。同じサラダでもこうしてバランスを変えていくことで、常備菜として活用できるのかなと思います。


食育座談会_img02


食生活事情アンケート


食生活事情アンケート_Q1


食生活事情アンケート_Q2


食生活事情アンケート_Q3


食生活事情アンケート_Q4

おから。沢山作って、百均の冷凍保存容器に小分けして保存すれば、お弁当にすぐ入れられるし、栄養にもダイエットにもよい!(くん)
ニンジンのドレッシング。アマニオイルとお酢、さとう、醤油でヘルシーな簡単ドレッシングです。(みかん★)
鶏肉を一口大に切り塩麹にしばらく漬ける。その鶏肉とザク切りにしたキャベツをフライパンで弱火から中火で炒め煮にするだけ。(ちゃんまん)
余った野菜と出汁(もしくは昆布を一枚)とお醤油を少し入れて、お米を炊きます。炊き上がって味が薄ければ塩を少々足します。レシピを考えたりおかずを作る時間がないとき、野菜もとれ、むすびにして会社に持っていく事も出来ます。(きこ)
干しエビを使った中華おこわ。人参、しいたけ、薄揚げなどをいれれば野菜も補強できるし、もち米はさめてもおいしく腹持ちもよい。(カコ)
トマトホール1缶を土鍋に入れ空のホール缶にお水を1杯。コンソメ2個入れて火にかけキャベツ、三枚肉、冷凍ブロッコリー、アスパラなど入れて最後にケチャップで完成!野菜が沢山食べれて子供にもオススメです。(うり坊)


食生活事情アンケート_Q5




※「はたじょ」調べ ●調査期間/2019年3月4日〜8日
●年齢/20〜29歳18%、30〜39歳44%、40〜49歳26%、50歳以上12%







お手軽レシピ


3つのポイント


ポイント01


たんぱく質は筋肉をつくる材料になり美しい体形づくりにはもちろん、身体の免疫を上げ、心の健康を調整してくれるホルモン作りにはかかせません。肉、魚、卵、大豆製品など毎食摂るのがオススメです。


ポイント02


栄養価を考える暇がなくても大丈夫!赤・黄・緑・白・紫・黒・茶の7色から5色の食材をそろえるようにすれば、自然と栄養バランスが整ってきます。黒・茶は海藻やきのこを意識してみるといいですよ。


ポイント03


血糖値やエネルギーが気になる糖質ですが、主食は食物繊維が豊富でお通じがスムーズになり、腸内細菌のエサになり善玉菌を増やす助けになります。発芽玄米や雑穀米を選ぶことで糖質を抑え、食物繊維、ビタミン、ミネラルをアップ!


鮭の野菜あんかけ


フライパン1つで彩りメイン料理
◉鮭の野菜あんかけ

材料(2人前)
生鮭…2切れ / 酒…小さじ1 / 塩…少々 / 油…小さじ1 / しめじ…1/2パック / えのき…1/2袋 / にんじん…1/4本 / 菜の花…6本 / 片栗粉…大さじ1/2
A[だし350ml/しょうゆ、酒、みりん各小さじ1、おろし生姜(チューブでも可)少々]

作り方
① 鮭は半分に切り、酒と塩を振る。
② しめじとえのきは石づきを除いてほぐし、にんじんは短冊切り、菜の花は4cm長さに切る。
③ フライパンに油を入れ熱し、鮭の両面を焼く。
④ Aと②を加えて、煮立ってきたらふたをして弱火で5分程度煮る。片栗粉を同量の水でといて加え、とろみをつける。




納豆チャーハン


ちょい足し常備食材で栄養&うまみON!
◉納豆チャーハン

材料(1人前)
卵…1個 / 油…適量 / 納豆…1パック / ちりめんじゃこ…10g / ねぎ…1/2本 / 雑穀米…茶碗1杯 / しょうゆ…小さじ1 / 白だし…小さじ1/2 / こしょう…少々 / 焼きのり…1/2枚

作り方
① フライパンに油を熱し、溶き卵を入れ半熟になるまでかき混ぜいったん取り出す。
② ちりめんじゃこと納豆をさっと炒め、雑穀米を加えて火を強め、木べらでほぐしながら2〜3分炒める。
③ 卵を戻し入れ、しょうゆ、白だし、こしょうを加え炒め合わせる。最後に小口切りに切ったねぎを入れ、器に盛りつけ焼きのりをトッピングする。